今回は基本情報技術者試験に合格するためのおすすめ参考書、そして勉強スケジュールについて詳しく解説します。
ポイントは、どこでつまずきやすいのか、どこに時間をかけるべきか、そして効率的な勉強の順番です。それでは一緒に見ていきましょう!
おすすめの参考書
まず最初に、「基本情報技術者試験の勉強時間はどのくらい必要?」という疑問についてお答えします。一般的に、150〜300時間程度の学習が必要とされています。この時間には個人差がありますが、これからIT技術者を目指す方なら、300時間程度を目安に考えると良いでしょう。すでにITの仕事を実務でされており、基礎知識がある方なら、150〜200時間程度で準備することもできると思います。
私がいた会社(SIer)では、1年目で基本情報技術者の資格は必須でした。
ここで、基本情報技術者を目指す人にとっておすすめの参考書をご紹介します。
1. 『基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集』
おすすめポイント: 過去問で試験対策を徹底的に行いたい方におすすめの一冊です。この参考書には、直近の過去問が収録されていて、試験の出題傾向をしっかりと把握することができます。また、問題の解説がとても詳しく、なぜその答えになるのかをしっかり理解しながら学べます。初学者にとってもわかりやすい内容なので、勉強がスムーズに進められます。
こんな人におすすめ: 試験の過去問を通じて、出題傾向を掴みたい人。解説が詳しいので、自力でしっかり理解したい方に向いています。
2. 『うかる! 基本情報技術者』
おすすめポイント: 初めて基本情報技術者試験に挑戦する方向けに、基礎から丁寧に解説されている教科書です。図やイラストが豊富で、難しいITの概念も視覚的に理解しやすくなっています。特にプログラミングやアルゴリズムの部分は、初心者でもつまづきにくいように解説されています。また、各章の終わりには確認テストがついているので、学んだ内容をその場で復習できるのもポイントです。
こんな人におすすめ: 初学者や、ITの基礎知識に自信がない方にピッタリです。視覚的に理解したい人や、図解が多いほうがわかりやすい方にはとても有効です。
3. 『キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和07年版』
おすすめポイント: この参考書は、イラストを使って難しいITの概念をわかりやすく解説してくれる一冊です。特に、テキストだけだと理解しにくい部分も、イラストで視覚的に説明されているので、初心者でもスムーズに学習を進めることができます。基礎から応用まで幅広くカバーされており、試験範囲をしっかり学びたい方にはぴったりです。また、ユーモアも交えた解説なので、勉強が楽しくなる工夫がされています。
こんな人におすすめ: 初めてITを学ぶ方や、視覚的に学びたい方に特におすすめです。テキストの多さに圧倒されがちな方も、この本なら楽しく続けられるでしょう。
4. 『[令和7年度]基本情報技術者 超効率の教科書+よく出る問題集』
おすすめポイント: この参考書は、効率的に学習を進めたい方向けに設計された一冊です。全範囲を網羅しつつも、重要なポイントに集中して学習できるよう工夫されています。また、よく出る問題集がセットになっているため、試験対策がしやすく、繰り返し練習することで知識の定着を図れます。さらに、全範囲のPDFが付いているので、スマホやタブレットで手軽に学習できるのも嬉しいポイントです。
こんな人におすすめ: 試験に向けて効率よく勉強したい方、持ち運んでどこでも学習したい方におすすめです。重要なポイントを押さえた学習ができるので、忙しい社会人の方にも向いています。
5. 『ポケットスタディ 基本情報技術者』
おすすめポイント: コンパクトなサイズで持ち運びが便利。シンプルな解説で、要点を短時間で掴むことができます。
こんな人におすすめ: 通勤・通学時間など隙間時間にも読むことができますので、忙しい社会人や、学生にピッタリです。短時間で要点を押さえたい方や、持ち運びやすい参考書を探している方に。
6. 『アルゴリズム図鑑 増補改訂版 絵で見てわかる33のアルゴリズム』
おすすめポイント: アルゴリズムを図解でわかりやすく解説しています。午後試験のアルゴリズム対策に最適で、得点アップを目指せる一冊です。さらに、増補改訂により新たに7つのアルゴリズムを追加しています。
こんな人におすすめ: アルゴリズムを苦手とする方や、視覚的に学びたい方におすすめ。視覚的に理解を深めたい方に。
試験開始の6ヶ月前からの準備
特に実務経験がない方は不安要素がたくさんありますよね?まずは基礎知識(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)、を理解することから始めましょう。これにより、ITの世界における基本的な概念をしっかりと把握できます。特に、システムエンジニアとして必要となる基礎的な部分をカバーすることで、その後の学習をよりスムーズに進めることができます。
書籍やオンライン講座を活用して、幅広い分野を網羅的に学習することを心がけます。ネットワーク、データベース、セキュリティなど、どれもシステムエンジニアにとって欠かせない知識です。
短期間で集中して学ぶことよりも、毎日継続的に学ぶことが重要です。通勤時間、毎日15〜30分だとしても、半年間継続したらかなりの時間になります。
継続は力なりです。
試験までの6ヶ月間を目安に、以下のようなスケジュールで準備を進めることをおすすめします。
6ヶ月前
この時期から、まずは基礎知識のインプットを開始します。ITの基礎知識(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)について理解することが大切です。毎日1時間程度の学習時間を確保し、全体的なITの概要を把握することを目指しましょう。
5ヶ月前
午前試験の対策に移ります。この時期から過去問を解き始め、出題傾向を掴みましょう。過去問を繰り返し解くことで、苦手な分野を洗い出し、理解度を深めていきます。平日は毎日1時間、週末には3〜4時間を使って過去問演習を行うと効果的です。
4ヶ月前
午前試験の復習を続けつつ、アルゴリズムとプログラミングに取り組み始めます。特に午後試験でつまずきやすい部分なので、この時期から時間をかけて基礎から学びましょう。簡単なフローチャートや擬似コードを使って問題を理解し、少しずつ複雑な問題に挑戦していきます。
3ヶ月前
アルゴリズムとプログラミングの理解を深めつつ、午後試験の選択問題対策も並行して行います。この時期には、データベース、ネットワーク、セキュリティなど、得意分野を選んで学習を進めましょう。1日1〜2時間の勉強時間を維持し、問題演習に取り組むことで実践力を養います。
2ヶ月前
午後試験の対策に重点を置きながら、模擬試験を受けて実力を測定する時期です。本番と同じ環境で模擬試験を受け、時間配分の練習を行います。間違えた問題を徹底的に復習し、弱点を克服することを意識しましょう。週末には模擬試験を2〜3時間かけて実施することをおすすめします。
1ヶ月前
これまで学習してきた内容を総復習する期間です。過去問や模擬試験を繰り返し解き、試験本番に備えましょう。この時期は特に苦手な分野を重点的に復習し、自信を持って試験に臨めるように準備を整えます。また、試験直前にはあまり無理をせず、体調管理にも気を配りましょう。
効率的な勉強の計画を立てるためのポイント
勉強時間を確保する際には、毎日のスケジュールに少しずつ取り入れるのがおすすめです。例えば、平日は1時間、週末は3〜4時間の勉強時間を確保することで、無理なく続けることができます。このように継続的に学習することで、知識がしっかりと定着します。
つまずきやすいポイントと、重点的に取り組む分野
基本情報技術者試験では、特につまずきやすいポイントがあります。これを事前に知っておくことで、対策が立てやすくなります。
1.アルゴリズムとプログラミング
つまずきやすいポイントとして挙げられるのが、アルゴリズムとプログラミングです。午後試験で出題される「擬似言語」や「アルゴリズム」の部分は、多くの受験者が苦戦するところです。この部分を攻略するには、まず基本的な制御構文(if文、forループなど)をしっかりと理解しておくことが重要です。
アルゴリズムを学ぶときは、最初から複雑な問題に取り組むのではなく、簡単なフローチャートから始めると良いでしょう。基礎を固めたら、過去問に取り組むことで徐々に慣れていくことができます。特に「深さ優先探索」や「幅優先探索」といったアルゴリズムは、初学者には難しく感じるかもしれませんが、実際に手を動かしてトレースしてみることで理解が深まります。
2.計算問題
午前試験の中には、二進数や論理演算、ネットワークの計算問題などが出題されます。これらは理解が不十分だと時間がかかり、試験本番で焦ってしまうことがあります。そのため、基本的な計算の仕組みを理解し、何度も練習して解法を体に染み込ませておくことが重要です。
計算問題の対策としては、まず公式や計算の手順を暗記することから始め、次に実際に手を動かして何度も問題を解くことが効果的です。また、間違えた問題については、なぜ間違えたのかをしっかりと振り返り、理解を深めるようにしましょう。
3.セキュリティ
近年の試験では、セキュリティ分野の出題が増えており、重点的に学習する価値があります。セキュリティは日常のIT業務でも非常に重要な分野であり、基本情報技術者試験を超えて役立つ知識となります。この分野は基本的な概念を理解するだけでなく、実際のセキュリティ対策の具体例を知っておくことも重要です。
アプリや模試を活用するのは非常におすすめです。私もこれで受かりました。
ここに時間を使うべき!勉強する順番と重点的に取り組むべき分野
効率的に学習を進めるためには、どの順番で学ぶかも重要です。以下の順番で学習を進めることで、無駄なく知識を身につけることができます。また、特に重点的に時間を使う分野もあるので、効率的に合格に近づきましょう。
1. ITの基礎知識
まずは、ITの基礎知識から学習を始めましょう。具体的には、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど、ITに関する基本的な概念を理解することが重要です。この段階では、テキストを使いながら全体像を把握し、各分野の基礎用語に慣れることを目指します。
2. 午前試験対策
次に、午前試験の対策に移ります。午前試験は選択式で、幅広い知識が問われるため、過去問を解くことが最も効果的です。過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を掴み、苦手な分野を洗い出すことができます。また、午前試験での得点力を上げることで、午後試験に集中できる余裕が生まれます。
3. アルゴリズムとプログラミング
午前試験に慣れてきたら、午後試験のアルゴリズムとプログラミングに取り組みましょう。ここが最も時間がかかる部分なので、しっかりと時間を確保して取り組むことが大切です。まずは、簡単な問題から取り組み、徐々に難易度を上げていくのがポイントです。
アルゴリズムに関しては、擬似コードを使って紙に書いてみることで、流れを視覚的に理解することができます。また、プログラミングに不慣れな場合は、PythonやJavaといった分かりやすいプログラミング言語を使って練習することもおすすめです。
4. 午後試験の選択問題対策
午後試験では、データベース、ネットワーク、セキュリティなど、複数の選択問題があります。この中から自分が得意な分野を選ぶことができますが、事前に過去問を解いてみて、自分が解きやすい分野を見つけておくことが重要です。得意な分野に集中して学習することで、効率よく得点を稼ぐことができます。
捨ててもいい部分はどこ?
勉強時間を有効に使うためには、捨ててもいい部分を見極めることも必要です。
基本情報技術者試験には、あまり実務で使われないマイナーな技術や、詳細すぎる内容も含まれています。例えば、特定の歴史的なハードウェアや、あまり使われていない通信プロトコルなどは、深入りする必要はありません。午前試験対策としては、過去問を解いて頻出ではない分野については、最低限の理解に留め、他の重要な部分に時間を使うことをおすすめします。
効率的な勉強のコツ
1. 過去問を最大限に活用する
過去問は試験対策の基本です。特に午前試験では、過去問からの出題が多いため、過去問を繰り返し解くことが合格への近道です。過去問を解く際には、間違えた問題を徹底的に復習することが重要です。なぜ間違えたのかを理解し、同じミスを繰り返さないようにしましょう。
2. 学習アプリやオンライン教材を活用する
最近では、スマートフォンの学習アプリや、オンラインで利用できる教材も充実しています。これらを活用することで、通勤時間や隙間時間に手軽に勉強することができます。特に午前試験の知識を暗記するのには、アプリを使ったクイズ形式の学習が効果的です。
3. ノートにまとめてアウトプットする
ただインプットするだけでなく、ノートにまとめることで理解を深めることができます。自分の言葉で説明できるようにすることで、知識が定着しやすくなります。また、ノートにまとめる際には図やイラストを使って視覚的に整理することで、より効率的に学習できます。
4. 模擬試験を受けて時間配分を確認する
試験本番では、時間配分が非常に重要です。模擬試験を実施し、本番と同じ環境で時間内に解答する練習をすることで、どの問題にどのくらいの時間をかけるべきかを把握することができます。模擬試験を繰り返すことで、試験当日のプレッシャーにも対応しやすくなります。
繰り返しになりますが、毎日少しずつでも勉強することが合格への近道となります。半年に1回しかない試験ですが、地道に勉強していきましょう。